[夏の名前]の意味を考えたら、切ない恋があった。

夏の名前

作詞:hamai
Rap詞:櫻井 翔
作曲:原田勝通
編曲:ha-j,吉岡 たく
Keyboards,Programming&E.Guiter:ha-j,Taku Yoshioka
Strings:RUSH by Takashi Kato
Chorus:Ko-saku

2005年に発売されたアルバム [One]に収録されています。



まえがき

名曲。
未体験の方へ。
損はさせないから、ぜひ聴いてほしい。
夏の名前に限らず、このアルバムもすべてが名曲だから。

聴くと何故だか、実体験を歌われてる気がします。
経験したこと無いのに。
不思議。
昔、好きな人とこんなことがあってね、、、と夏休みで帰省している孫にえんがわで話しそうになる。
孫はいないのに。
不思議。
あの時と同じ風が吹いて、、、切ないような、、、でもあれで良かったのかな、、、遠くに思いをはせてしまう。
実体験じゃないのに。
不思議。



考察

00:00
大好きな君と一緒に駆け落ちするはずだったんですよね。
でも君は来なかった。
僕はひとり旅立つんですね。
そして時が経ち、あの頃を思い出す。

冒頭から切ない。
軽やかなリズムに聞こえるけど、なんだか切ない気持ちになるピアノ。

ここのリーダーのソロは現在の僕。
しっとり。
ピアノのダンダン(ザンザン?)という音が、どこかにしまっていた気持ちを呼び起こすかのようです。
[ きっと ]からはあの頃ですね。
メンバーで歌い、楽器も増えるので盛り上がります。
思い出の中に入りこむ仕掛けのような気がします。


00:45
お揃いのスニーカー履いてきたんですよ。
君とお揃いの。
一番好きな服だけをカバンにつめてきたんですよ。
もう戻らない覚悟で。
君と一緒にいられるはずだったんですよね。
この先ずっと、これからはいつも。


01:02
この曲は叶わない恋が前提にあると思いました。
ふたりは想い合っている。
ずっと一緒にいられたらいいのに。
でも世間が、少なくとも身近な人々がそれを許さない。

叶わぬ恋と感じたのはプールのシーンで[ My Friend.Dear Friend.]と歌っているから。

たしかに恋愛をしているのに、[ My Friend.Dear Friend.]と呼ぶ。
君が一緒に来なかったから、友達という区切りをつけたとも思えました。
バスの中のシーンはこちらかな。

でもプールでのことは違う。
ふたりで決めたことや、指を重ねたこと、はにかみながらキスをしたこと。
確かに恋愛だと思ったんです。
だからこそ、ここで[ My Friend.Dear Friend.]と呼んだのには理由があると思いました。
普段は友達として接しなければならない。
でも想い合ってる。
君もそうだとわかっている。
そもそもふたりで逃げ出す約束をしていたんですよね。
何故か?
片想いが両想いになる。
でもそこに障害がある。
逃げ出さなければならないほどの。

10代の頃なのかな。
プール、一番好きな服、お揃いのスニーカー、僕も青い、というフレーズ。
どことなく学生を思わせる。
駆け落ちすることでずっと一緒にいられると、疑うことのない純粋さも若さゆえかしら。

10代の頃は、学校や家や住んでいる地域が世界の全てになりかねない。
金銭的にも制限があるし、会う人達は限られる。
たとえば親、クラスメイト。
彼らから、この恋愛を否定されたら?
世界から否定されたら。
隠すか諦めてしまうかもしれない。
でも好き。相手も同じ気持ち。
なら一緒に逃げよう、と。


01:37
バスの時刻が迫ってくる。
君の姿は見えず、かわりに電話がかかってくる。
小さな声で、一緒には行けないと告げられる。

そして僕はひとりバスに乗る。
進学か就職か、別の町に行くのかな。
引き返すことはできない。
まだ青い。まだ視野が狭いから。
引き返すなんて思いつかない。
もう戻れないと。
もう会えないと。
友達の関係を受け入れるしかないと思ったのか。

走るようなメロディーが、僕の迷いや鼓動、肩につく汗などを体験させます。


02:23
橋のたもとをバスが過ぎる。
町の外に出る。
君はこの町の世界を選んだ。
町との別れ。
君との別れ。
窓を開けて、聞こえないはずだけど、君の名前を叫ぶ。
[ 胸の奥が音をたてた ]って表現が、切ない。
リピートのサビで、[ おとを↑ ]と高くなるところなど、切なさが聴覚化されたようだった。


02:52
そして現在。
ラップパートで現在の僕の心境になるわけですね。
町に帰ってきた僕。
変わらない景色。
君と過ごした景色たちが、君との思い出を香りとして運んでくる。
光を背負ったということは夕方?または明け方?はじまり?それとも終わり?
心の内が熱いのは何故か、、、

あー!このラップも大好き!
草の香りを感じるし、少し汗ばむような、あの夏を体験させてくれる。


03:22
そしてリーダーのサビ。
君と過ごした日々を離れても忘れない。
大切な思い出として昇華された瞬間です。

ここでふたりの恋愛は、ひとつの季節は終わったんですね。



[ 夏の名前 ]とは?

タイトルである[ 夏の名前 ]。
夏の名前ってなんだろう?

名前。それは物や現象を表す言葉ですよね。
夏がつく言葉といえば初夏や盛夏に夏至、夏祭りなどなど。

他にも夏を表す言葉ってたくさんありますよね。
風鈴、日焼け、浴衣、キャンプにサイダー、スイカに海や水着。

君と過ごした夏の思い出を、プールで語り合ったのかな。
またはこれからの夏の約束を、橋のたもとでしたのかな。

君と僕の、共に過ごしたひとつひとつ全てに名前があるんだと思う。
それが夏の名前。
かわり映えのない日々はなくて。
毎日がキラキラしていて、新しい驚きに満ちていて。
きっとこの先もずっと。
まるでそれは魔法のようで。
どの景色にも大切な名前があった。
そう思った。



あとがき

若さが切ない。
夏という季節にこの若さがはまっていて、切ない。
もし誰もかれも気にすることなく君と一緒にいれたら、、、。
時代や、環境が違っていたら、ふたりは同じ現在を選べたのかな。
悲恋だけど、悲しいという言葉はちょっと違うかも。
今となっては思い出にできたけど、あの時は確かに胸の奥が痛かった訳でね。
懐かしくて、大切な思い出で、少しさみしくて、切ない。
夏。
そんな曲です。

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